「湊ッ!」
あたしは走って、湊の胸に飛び込んだ。
「本物だよね?ホントに湊だよね!?」
『バーカ。本物だよ』
「湊、おかえりなさい」
『待たせてごめん。会いたかった』
「あたしも、会いたかったよ」
『愛華、太った?』
「ちょ、久しぶりに会ってそれ!?バカ湊」
『嘘だよ。綺麗になった…』
「湊も、またイケメンになったんじゃない?」
『ちょっとは素直になったみたいだな』
「それ、湊に言われたくないんだけど」
あたしたちは頬笑みあい、
約8年ぶりの…キスをした。
「あ、花枝と柊斗くんが湊によろしくだって」
『そっか。…ではお姫様?』
「ブッ、お姫様って!」
『いいから聞けよ!…デートに参りましょうか?』
差しだされた手。
「はい、喜んで」
あたしはその手を取った。

『愛華、愛してるよ』
「あたしも、愛してる」

止まっていた恋が、今、動き出した―…。