安易に人間界への扉を開いた。




着いた場所…。






「ピアノ…。あぁ学校の音楽室。」





音楽室の大きな鏡とつながったみたい。





誇りだらけ…。楽器が散乱。まぁいいや。ここにとりあえず…。





「オリオン…。」






まだ月は出てるし…。やっぱり外に出てみよう。





ガチャ…。
「誰かいるのか?」






息を凝らして天井に潜む。
ライトがあちこちに照らしている。






飛び降りて息を吹き掛けた。





ガタン!
「ごめんね。少し寝て。」





人間の男の子…。
「おかしいな…。確か人間て夜は寝てるはずだったと思ったけど。」






「慎二ー!」






遠くで人間の声がした。感覚がにぶってる。
「三人…。」






通り過ぎる。
「あんた…。ここで何して…。痛って…。」






「!」





眠らしたはずなのに…。力が弱くなっていた。





「あなたは何してるの?」





「あっ?肝だめし。」






「きもだめし?」






きもだめし…。てなんだろ。もう少し勉強しとくべきだったかな。






「それ何?」






「あんた…。外人?名前は?俺は慎二。」






「アンジェリカ…。アンて呼ばれてる。」






「じゃあな…。アン。」





こら!名前聞いておいて置き去りか!






「私ここらへん詳しくないの…。教えてくれる?」





怪訝な顔つきに…。
「怖いんだろ。」






はっ?






手を握り近づく。






やばい…。お腹空いてきた。






「ごめんね。やっぱり一人で行く。」





「いいから行くぞ。」