「母さん…ありがとう…。」



「フフッ。突然何?そろそろ私は行くから遅れないようにね。」




母さんは誤魔化すように部屋を出ていったけれど、私は見逃さなかった。




一粒の涙が母さんの目から零れ落ちたのを。




そのとき。




コンコン




またノックがした。




「はい。」




今度は誰だろ?