お兄ちゃんはいつでも誰にでも愛された人だった。


そんなお兄ちゃんには、世界一大切で、世界一愛した人がいた。


「きっとあいつを幸せにするために生きてきたんだ」


それが最近のお兄ちゃんの口癖で。


だから私は、お兄ちゃんがどれだけその人を愛していたのか、よく知っている。