箱の中から取り出したそれを、彼女は震える手で左手の薬指につけた。 ぴったりとはまったその瞬間、きらりとそれは輝いた。 「ぴったりだぁ。」 そう言って泣き笑いする彼女の頭上で、快晴の空がいっそう青く透き通っていき… その向こうから 「――――…」 温かく、優しい声が聞こえた気がした。 『指輪と彼女と幸せの空』 <END>