指輪と彼女と幸せの空

ぼたぼたと、何かが決壊したかのように再び大粒の涙が落ちた。


お兄ちゃんに会えた。


あの日以来会えなかったお兄ちゃんに、今やっと会えた。


彼女の語るその記憶の欠片の中に


確かに、私の知る優しいお兄ちゃんがいた。


「おにぃ、ちゃっ…」


お兄ちゃん。