布団はそのままふわふわと空中を飛んで、赤い屋根の上にきれいに置かれた。 「…妃の、力か?」 「…はい。びっくりしましたか?」 「まあ…。でも、すげえな。」 幽霊ってみんな、こんなことが出来んのか? 「下ろすのは、お昼過ぎくらいで良いでしょう。また、私がやりますから。」 妃は俺の目を見ずにそう言うと、ふっとどこかに消えた。