「唯は、ここに何をしに来たんですか?」 「あ?……ここは、俺のじいちゃんの家なんだよ。」 「おじいさん…?」 「お前は、知らねえかもしんねえけど。」 「………あなたは、ヒサヒトさんの、孫…?」 キサキは、真っ黒な瞳を俺に向けて、聞いた。 ヒサヒト。 それは確かに、じいちゃんの、名前。 「なんで、じいちゃんのことを、お前が知ってるんだ?もう、死んだのに…」 口にすると、悲しくなった。 「亡くなり…ましたね。三年前の、7月26日、でしたね。」 何でコイツは、そんなことまで知っている?