「おじちゃん、金魚すくい!」 後ろから、小さな男の子が寄ってきた。 金魚すくいをするんだろう。 目をキラキラさせながら浅い水槽を覗き込んでいる。 「…難しいなぁー。」 男の子のポイは、すぐに破れてしまった。 「…よかったです……」 それを見て小さくそう呟いたのを、俺は聞いた。