『とにかく、妃には優しくしてやってくれ。』 親父の声は、初めて聞くくらいに切なげだった。 『俺はもう、触れることはおろか、話すことも…見ることすら出来ないんだ…』 「親父…」 妃は、元気だ。 明るくて、俺の生きる希望にだってなりそうなんだ。 じいちゃんが死んだのに、今こうしてこの家にいられるのは妃のおかげなんだ。 「…妃には、いっとくよ。」 『ああ…よろしく頼んだ。』 静かに、電話が切れた。 …いろいろ、驚いた。