プラスチックのボディ
薄い刃のカッターナイフひとつ
渡されて戦場へ投げ込まれた

冗談じゃない
こんな、
指先でひねりつぶせるような
脆い刃で
「あたし」を守れるか

こんな刃じゃ
曖昧な優しさすら断ち切れない

世界を否定して、
あたしは閉じこもる
繋がりなんかいらないよって
カッターナイフ振り上げるけど
突き刺すことすらできなくて
どうして…


そうか

プラスチックのボディ
薄い刃のカッターナイフはあたし
戦うための道具じゃないのに
斬れるはずもないものを斬ろうとして
思いやりみたいなものに
脆い刃ふりかざした牙を剥いた

冗談じゃない
指先でひねりつぶせるような「あたし」は
強がって粋がって
なにもかもなくしてしまいそう

強くなれない

「あたし」を切り裂いて