「愛理、読んでやってくれよ」


颯太が苦しそうに手紙を持ち上げて
私に渡してきた




「無理。読みたくないの」




一瞬空気が止まった



隼人がテーブルをたたいたからだ



「俺がこんなこと言う
立場じゃないことは
分かってる


でも!
愛理、そろそろ自分を許して
前に進めよ
俺は前に進まない
愛理を見てるのは
辛いんだよ!!

俺だけじゃない
ここにいる舞花も颯太も
京輔も杏里も花音も・・・・


天国にいるお前の
彼氏も」



こんなにも
感情を表に出す
隼人は初めて見た


「この手紙には
きっと愛理を助けてくれる
言葉が詰まってるんだよ」



舞花は颯太の手から
手紙を取り


私を立ち上がらせて
渡してくれた





「愛理、部屋に行って
読んでおいで」