隼人side
「なんか、すごかったね」
帰り道
4人で無言のまま歩いていると
京輔がつぶやいた
「うん、愛理って1人で
あんな大変な過去抱えてたんだね」
杏里も下を向きながら
悔しそうにしていた
「俺さ、愛理好きでいるのやめようかと思った」
「は!?」
「隼人何言ってんの!?」
花音は何も言わないけど
ただ目を見開いてこっちを見ている
「凛久しか愛せないと思ってる、って
あいつ言ったじゃん
その時、あー俺には到底落とせる
相手じゃないって思った」
「でもそのあと愛理
なんて言ったか覚えてるか?
一人でもちゃんと生きれば
最後には凛久が迎えに来てくれるから
って言ったんだよ
俺、それ聞いたとき
愛理を1人にしたらダメだって思った
この年で『最後』まで一人で生きるって
言えるもんじゃないと思う」
一人は辛いって知ってるくせに