許さない。
私は決して許さない。
あなたは私を裏切った。
よくある結婚詐欺かもしれない。
それでも私は本気だったんだ。
本気であなたを愛していたんだ・・・!


「悠良。まだ探してるの?」
西国悠良。25歳。
しがないOLだったのを3ヶ月前退職した。
退職理由は
『寿退社』
半年前出会い、5ヶ月前に付き合いだして、1ヶ月前に婚約をした。
出会ったのは行き着けのバー。
いつも一人でブラリと飲んでた。
彼『結城雅』はそこにバー「birth」に1年位前に来始めた。
「いいじゃない。幸依には関係ないでしょ」
幸依。私の高校時代からの友達。
良い奴でずっと親友だと思ってる。
もちろん今でも親友だと思ってる。
でも、こと雅のことだけはゆずれない。
「ダメなのよ。雅のことだけはどうしても。
許す事が出来ないの。ごめんね、幸依」
振り向くこともなく私は幸依の前から立ち去った。
とても今の私には見れない。幸依の姿は正しすぎて・・・

雅は目立つようなヒトではなかった。
大人しめで、いつの間にかbirthに通い始めていた。
何時も一人でワインを飲んでいて、時折店員と他愛無い世間話を交わしていた。
私と話すことなんか本当になかった。
でも、ふとした時に話すキッカケができた。
そこから二人が始まった。
一緒に暮らし、平凡な日々を過ごせると思っていた。
なのに・・・・