笑っていた顔を無表情に直し、肩を叩こうとした手を引っ込めた


両手をポケットに突っ込んで、顔を窓側に向いて


愛美の机の足を蹴った



ドン??!


「えっ何事?!」


案の定驚いた表情を見せた愛美に声をかけた



「何寝言言ってんだよ!」


「寝言?」


キョトンとした顔の愛美に思わずそっぽを向く



「まぁいい、帰るぞ」


「えっ、待ってよ!」



俺は愛美を置いて教室から出た

愛美はバタバタとノートをバックにしまい、先を歩いていた俺に追いついてきた




「凌、怒ってるの?」


「別に怒ってないよ」



俺は別に怒ってはいない


でも心の中ではモヤモヤしたものがある


愛美の寝言で“大樹”と言ったことに・・・