「遡雫、どうしてそんな事したんだ!」

柿ピーに乗せられてクリスマステロへと向かう遡雫を、神埼 玲菜は眼帯に覆われていない右目で見つめる。

「だって…美味しい食べ物いっぱい食べれるように…お腹すかせとこうと思って…」

ヘロヘロの声で呟く遡雫。

彼女は今回のイベントに備えて、一週間も食べていなかったのだという。

気合の入り方からして違う。

今ではもうすっかり元気がなくなってしまっている。

「今時ここまで食べ物に執着する子も珍しいのぅ」

瓢箪の地酒を飲みながら言うのは藤原 武明。

「藤原翁は遡雫ちゃんを見習ってお酒控えた方がいいくらいよ」

色彩 カレンが苦笑いした。