和也
もっと怒って…
私を
キツイ言葉で責めてよ…
そう、願ってた。
でも、和也は
フッと笑った。
うつむいてた顔をあげて
少し首を傾けるようにして
うまく言えないけど、全部を
見抜いてるように笑った。
どうして、今
笑うの…?
和也の笑顔は
ギリギリでこらえていた涙を
呼び戻してしまうくらいに
心をギュッっと
掴むんだよ…?
苦しい、よ…
「リカは、ウソが下手だな。
んな事、思ってねぇくせに」
「思ってる…
最後だから、本音を
言ってるんじゃないの。
どうせ
偽物の恋だったんだよ。
疲れちゃったし
和也に飽きたの。
だから、和也と別れるのに
丁度いい機会だって
思ってたのっ!」
ムキになっても
同じ言葉を繰り返しても
ひどい言葉を投げ付けても
和也の顔は変わらなかった。

