群青のピリオド

しばし考えてから､僕は笑う｡笑ったつもりだけど､うまく笑えたのかは分からない｡


「そんなことないよ｡こんなに優しい彼女がいて､ヨシくんは幸せだね」


邪魔な女だ｡本当に｡

ヨシくんの事なんて何もわかってないくせに｡


「海耶くんは､好きな人とか居ないの？」

「悪いけど､あんまり恋愛って興味ないんだ」


言えるわけないじゃないか｡ヨシくんが好きだ､なんて｡


「義也くんの方が大事？」

「──え？」


彼女は､ビー玉のような丸い目でじっと僕を見つめた｡