先生はお見合い相手に会うなり、「大切な人に戻って来いと言われたので、申し訳ありませんが失礼します」と言って席をたったそうだ。 大切な人、とは私のことだろうか。 お相手は、先生に恋人がいると誤解したに違いない。 なんとも、気の毒だ。 「写真よりもすっごくイケメンだったのよ〜」 先生はなぜか誇らしげにお相手を自慢した。 お父さんとお母さんが「もったいないことするんだから」と言いながらも、嬉しそうに笑った。 私は先生の隣で楽しそうに話を聞く皐月を、チラッと見遣った。