唯歌がトイレから出てきたその時、誰かが近づいてきた。

そして、
「唯歌ちゃん…」
と言った。

唯歌は、
「何…?」
とおそるおそる聞いた。

近づいてきたのはクラスメートの松谷勇二(マツタニユウジ)。

「大丈夫?」
「!?」
唯歌は驚いた目で勇二を見る。

「大丈夫ならいいけど…」
「あ…あの…」
「何?」
「どうして私のことを助けてくれたの?」
そう言うと、勇二は唯歌を見て、
「さぁね?」
と言った。