好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

会話について行けない中、スタッフルームから出て来た木賀さんと目が合った。

木賀さんは顔を引きつらせながら、近付いて来た。



「葛西さん、今日はどうも」



「ごちそうさまでした…」



「ひまわり。誰?」



「このお店の店長さん」



「そう。じゃあ彼にカットを頼めば良いな。短くしたいって、言ってたし」



…言ってない;;

しかも、切ったらセットしにくいじゃん;;

歩斗のデートした時、ただ櫛で鋤いただけとか嫌だよ。



「や、やっぱり…パーマにしようかな?;;
遥斗さんとデートする時に…オシャレしたいし;;」



焦る私を隠すように、「可愛いヤツめ」と、抱き締められた。