好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

「…歩斗は良いんですか?」



「知らない。でも、“俺の提案”て、電話しとくよ」



“それなら良い”と思った。

責任転嫁されなければ。

お店の前の駐車場に車を停めた遥斗は「降りるよ」と、声を掛けて来た。

目は“降りろ”と言う感じ。

車から降りると、遥斗さんは私の手を握り、恋人繋ぎをして来た。



「いらっしゃいませ」



出迎えてくれた店員さんが、「葛西さん!」と、カウンターから出て来て、私に駆け寄って来た。



「彼氏さん。イケメンですね!」



「ありがとうございます;;」



「ひまわりが可愛いからね。彼氏の俺もかっこよくないと釣り合わないでしょ!」



「わかりますっ」



…何がわかったんだ。