好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

歩斗に…会いたい。

手を繋いだり。

ギュッとしたら、こんなモヤモヤした気持ち、消えるのに。



「ほらティッシュ。1人で抱えないで」



遥斗さんが私にティッシュを箱ごと渡して来た。

受け取り、涙を拭う。



「ホクロない…っ…」



視界がクリアになり、遥斗さんと歩斗の苦いに気付いた。



「あぁ!兄貴は目尻・頬・口元に、オリオン座の中心みたいなホクロあるんだよね。
さすがに俺はないけど(笑)」



遥斗さんは携帯を開き、何かを操作してる。

そして写し出された画面には、明らかに盗撮された歩斗の横顔。