「これが良いと、やって来ましたけど…」



店長はあくまでも「普通」だと言う。

でも、私も引き下がれない。



「この値段なら、わざわざここに来なくても、安いお店を探せる。
確かに技術を伴うモノなら、1万円でも仕方ない。
けど、カラーだけで3千円は払いたくない。もう千円下げても損はないし、もう少し若い人も入りやすいと思います。
キャンペーンを組んででも、試す価値はあると思いますよ」



「そうですね…。キャンペーン次第で、下げます」



私の根気勝ち。

歩斗を見ると、「本当にネイリストなんだな」と、言われた。