歩斗のステップワゴンに乗り込み、一軒目のお店に向かう。

リピーターのお客さんが少ないのが、悩みどころの、ショッピングセンターに入ってる小規模な店舗。

私は歩斗の一歩後ろをついて歩く。

店長と名刺交換をしてから、私は装飾や道具。

商品や使用品のレイアウトを見て回った。

私が引っ掛かったのは、メニュー看板。



「先輩」



歩斗を呼び、並んで看板を見る。



「値段やコースは、社の指示ですか?」



「いや。ネイルサロンは土地の相場や客層に合わせて組ませてる」



「そう…ですか」



私は店長を手招きし、「高いしわかりづらい」と、正直に告げた。