「まさか、俺の気持ち、気付いてないのか?」



「先輩は何も言ってないですよね?」



「…シャワー浴びて来る」



「え?」



私は立ち上がった武井さんの腕を掴んで止めた。

今はシャワーのタイミングじゃない筈。



「先輩、意味わかりませんよ!」



「数学5点なだけあるな」



「――ッ!!」



…またあの馬鹿2人!!

どれだけ人の恥を言いふらしてくれてんの!!



「俺は好きな女しか抱かない。認めたヤツにしか、“歩斗”とは呼ばせないから。
後は自分で考えるんだな。チビ」



彼は私の腕を退かし、本当にシャワーを浴びに行ってしまった。