好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

自分で言い出しといて、本当にわからない。

うちの両親だと気が引けるし…。



「考えとく!」



「考えなくても良いって。仲人、立てないも知れないし」



…そっか。

私たちみたいに、立てない可能性だってあるんだ。

今は昔みたいに、強制的でもなさそうだし。



「あ、ねぇ。結婚式しないの?」



「写真だけとったよ?」



私は筆の柄先を、テレビ台に向けた。

そこに飾られたいくつもの写真の中に、私たちのブライダル写真がある。

歩斗は紋付き袴。

私は白無垢姿。

ドレス姿は、アルバムの中にある。