好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

歩斗が寝室へ着替えに行ってる間に、私はお茶を取りに行く。

歩斗の晩酌は、いつの間にか入浴後になった。



「なぁ」



「何?」



「嵯峨からの土産。忘れてた」



お茶をテーブルに置き、渡されたB4サイズの茶封筒を受け取る。

ずっしりとしてる為、何か良い物かと思ってると、中身は本。



「…何、この本;;」



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厭味か。

はたまた歩斗にお灸を据える為なのか。

謎は迷宮入りするだろう。



「大阪まで行って、わざわざこれかよ」



歩斗の冷静な突っ込みと共に、本は封筒に戻された。