好きと言えない。―悪魔と恋―【完】

会社から、タクシーで20分の場所にあり、枝玲奈が勤める美容室の傍でよく利用してるらしい。

お店に入ると、先に待ってたのか、手を振って、出迎えてくれる。



「ごめん。待たせたよね;;」



「私が近いんだから、当然じゃない。でも、相変わらず綺麗な手ね。私は荒れて荒れて大変よ」



「ケアやマッサージならするから言ってよ。私の趣味だからね」



「才能を趣味と言えるなんて凄いわね」



「凄くなんてないよー。それに、才能もない」



メニューを見てると、胸騒ぎに襲われた。

何か。

嫌な予感がする。