胸ぐらを掴んだまま、石のように固まるあたし。

「これでセカンドキスも俺のものだね」

野乃原はニッと意地の悪い笑みをあたしに向けた。

「………ふ」

思わず、怒りに肩が震える。

「ふ?」



「ふざけるなぁー!!!!」



この日一番の叫びが屋上にこだました。

ついでに野乃原の頬にはあたし渾身のビンタが炸裂した。