「驚きました?・・・あの頃の・・・・・・・ひどいもんで」

カウンターに並んで座って喋っているドクターの声が遠くから聞こえる。

150年前の外骨格?

往還船でここを目指したとして本星から最短でも2年

いやあの時代だから15年はかかる。

165年前の機体?

いや、あれ?

こんなことなら開拓史をもっと勉強しておくんだった。

この星が人の住める星として立星元年が敷かれるまで、探索と開拓という暗黒の年代をさらに足さないといけない。

気が付くとドクターの話は終わり、食堂はいつの間にか込み合い始めていた。

その時だ。

客の視線がドアに集まる。

僕は振り返った。

そこには夕方のさびれた農園で出会ったのとは違う。

もう一人の彼女がいた。