「悪かったね…」 「えっ?あ、大丈夫です!」 いわゆるアニメ声の田代は、あくまで明るくそう返してきた。 (…でも空気読んだんだろ、だからあのタイミングで…) オレは妙に恥ずかしさを感じた。 それからしばらく二人でフライヤーを配った。 イヤでも目立つ制服にアニメ声の田代は、ワリとよくフライヤーを捌いている。 それに比べオレのフライヤーはほとんど無視される。