恐る恐る声をかけると、マコトは頷いた。
セイラは、安堵のあまり涙を流す。



「マコト……魔神と……」

「あぁ……。もう、この村にはいられない」

「そんなっ……」



マコト達が住んでいる村は、ナーガへの信仰心が一段と深い。
ナーガと敵対していたベルゼビュートと契約したとなれば、命を奪われるかもしれない。
それは、ナーガの神子であるセイラは、痛いほど理解している。



「一度、村へ戻ろう。立てるか?」



マコトは立ち上がり、セイラに手を差し伸べる。
セイラはその手をとり、立ち上がる。



「私の……せいで……」

「違う。……俺の力がなかったからだ」



二人は手を繋いだまま、神殿を出た。