次の日の朝。
ミノリはセイラに起こされた。



「ありがとう。さて、神殿に行っても無駄やって分かったし、次の村まで一緒に行く?」

「いいんですか?」

「うん。村についたら、助けてもろうたお礼と、情報のお礼もしたいねん」



魔力が戻ったのか、ミノリは大気中の水分を集め、顔を洗う。



「水系が得意なんですか?」



それを見たセイラが聞く。



「いや、得意なんは炎や雷系や。水はこれくらいしか出来んで? セイラちゃんは?」

「私は回復系です。攻撃魔法は全く使えなくて」

「え、危なくないん?いくらマコトくんがおるからって」

「私、体術が得意なんです」



以外な特技に、ミノリはおどろく。
そんな二人をしり目に、マコトは準備を進める。



「なぁ? マコトくん、僕らが一緒なん嫌なんかな?」



ミノリたちに会ってから、あまり言葉を発しないマコトを心配して、ミノリは小声でセイラに聞く。



「そんなことないですよ。マコトは言葉数が少なくて誤解されがちだけど、とても優しいんです」



微笑んで言うセイラに、ミノリはホッとする。
その様子を尻尾をパタパタさせながらリョクが見ていた。