数時間が経ち、セイラとマコトが眠り、ミノリが見張りをしている。
ある程度のことはセイラに説明され、神殿に行っても無駄だと分かった。
これからどうすればいいのか、途方にくれていた。
「お前、よく喋らんかったな」
ミノリがリョクに話し掛ける。
丸くなっていたリョクが顔をあげる。
「当たり前やろ。俺が喋ったら、二人とも驚くやん」
「まぁ、そうやけど……」
あの事実を聞いて、少なからずリョクも驚いていたはずだ。
「はぁ、……どないしよ。やっぱ、サリエルんとこ行かなアカンかなぁ」
幼馴染みに呪いをかけた張本人。
サリエルの元に行くのが一番のはや道であることは分かっている。
「絶対アカン!!」
「だって、やっぱそれが一番早いやろ? 僕なら平気やし……」
「お前が平気でも、俺はイヤや」
リョクの言葉に、ミノリは一際深い溜め息を吐いた。
リョクがこれほど嫌がるのにも、それなりの理由があるのを知っているミノリは、それ以上何も言えない。