──ドゥン



どこからともなく銃声が轟き、モンスターが倒れた。



「あっ」



ミノリが、投げ出されたリョクを咄嗟に受け止める。



「死ぬかと思うた」



リョクの無事を確認すると、ミノリはホッと肩を撫で下ろした。



「に、しても。誰が助けてくれたんやろ?」



リョクの言葉に、ミノリが辺りを見回す。
少し先に、灯りが見えた。



「大丈夫ですかぁー!?」



その灯りの方から、少女の、綺麗な声が聞こえた。



「女の子や!」



とても嬉しそうに、リョクが跳び跳ねる。
ミノリは、呆れたようにため息を吐いた。



「大丈夫です! ありがとうございます」



ミノリは、こちらに近付いてくる気配に答えた。
姿を確認できるところまで来た二人の影。



「何や、男連れか」



リョクがガッカリしたように言った。
一人は金の髪が美しい少女。
一人は黒い服をきた少年だった。
少年が1メートルほどの銃剣を持っていることから、その少年がミノリたちを助けてくれたのが分かった。



「夜の森を歩くのは危ないですよ?」



少女が駆け寄ってくる。
ミノリは立ち上がり、埃を払う。



「そうやねんけど、急ぎの用があって……。ホンマ、ありがとう」



ミノリは、少女に微笑んで言う。
リョクは抱いたままだ。



「可愛いー」



少女がリョクを見付けて言った。
どうやら、動物が好きなようで、眼がキラキラしている。



「触っても良いですか?」

「ええけど、こいつ危ないから気を付けて」



手を伸ばしてきた少女に、ミノリが心配そうに言った。
少女は不思議に思いながら、リョクのフワフワの体に触れる。