「全ては、私のせいです。マコトは、私を守るために、……魔神と契約したのです」



セイラの青い瞳が、涙に揺れる。



「……理由はわかった」



今まで黙って聞いていた村長が、小さな声で言った。



「しかし、魔神と契約した者をそのままにしておくわけにはいかなぬ」



セイラは眼を閉じ、涙が流れた。
マコトの顔色は変わらない。



「しかし、神子を守った。……よって、マコトを村から追放する」

「…………」

「明日の朝、皆が目覚めぬうちに出ていけ」

「……わかりました」

「以上だ」



それだけ言うと村長は席を立ち、奥へ入っていった。
シルヴァはホッとしたような顔をし、セイラは呆気にとられている。
他の有力者達も異論を唱える者はおらず、そのまま村長の家から出ていく。
マコトも席を立ち、村長の家から出ていこうとしたとき、セイラに呼び止められた。



「マコト、ごめんなさい。私のせいで……」



本当に申し訳なさそうに謝るセイラ。