長かった法事が終わって、開放感を味わいながら坂道を下る。

陽は高く、容赦なく照りつけてくる。

汗がだらだらと垂れてYシャツの襟元にシミを作っていく。

ミンミンとセミが賑やかに鳴いている。

「あっついねー」

セーラー服をパタパタさせながら隣を歩くのは5つ年下の従姉妹、夏乃。

「そうだな」

彼女は小さい時からずっと俺にくっついてきていて、今では多分両親よりも会ったり連絡している頻度は高い。

最も気心の知れた親戚だった。