駅に着き、俺は券売機に幾枚かの札と小銭をジャラジャラと吸い込ませ数字の消えかかったボタンを押した。


改札の駅員は深々と被った帽子の隙間からじっとりと野良犬を見る様な侮蔑の目で俺を見ている。


目が虚ろで酒臭く、無精に伸ばされベタ付きを覚えた髪や髭。仕舞いに手には葱が一束。俺は駅員の侮蔑を甘んじてホームへ向った。