葱‐negi‐

片手に瓶を持ちながらタンスの一番上をガサゴソを手当たり次第に探ると俺の知る通り幾らかの札が有り、それを握り締めると、もう用の事切れた家をあとにした。



相変わらず外の太陽は傾き始めていたものの、十分過ぎる程に紫外線と熱射を未だ放出し続けている。



この道を俺は再び戻るのだ。


俺の味方はこの瓶と煙草だけ。



しかしなんとまあ