仏間の襖を開けた瞬間、空気は暗く湿り気を帯び、鼻先にツウと線香やら花の匂いを運ぶ。


まるで部屋自体が式場の様で仏壇の周りには多くの花や供物、弔電が所狭しと置かれている。


勿論、焼かれて小さくなった母親も静粛に箱へ収まりそこに在った。





俺の陰鬱は静かに最高潮を迎えた。