室内の様子はいつの間にやら増えた家具や、捨てられた物のせいで俺が知っているそれとは異なっていた。花瓶の花が水分を失いくたりとうなだれ、机の上にや床には物が散在している。


おそらくは式の最中は嫁に行った妹が手伝いに戻っていたのだろうが、そう長くは居なかったのだろう事を思わせる。



既にここは俺の知る家ではなかった。


居心地の悪い居間を出、井草の緑が鮮やかな畳の客室を抜けて奥の仏間に入る。