持っていた鞄が、手から離れ地面へと落ちた。 きちんと閉めていなかったため、教科書が何冊か鞄から飛び出した。 「はぁ。」 無意識にため息をつきながら、しゃがんで教科書を拾い集める。 「ははっ。」 「くすくす。」 ふと顔を上げると、何人か通り過ぎながら、私を見て笑っていた。 恥ずかしくて急いで教科書を詰め込んだ。