「頑張ろうね。」

 優奈先輩は前を向き、歩きながら言った。

「……はい。」

 小さく、呟いた。

 立ち向かう勇気も、言い返す度胸も私にはない。

 ただただ時間が過ぎるのを待つ、弱き一人の人間。私が頑張れることは、やられっぱなしで耐えることしか、考えられなかった。

 私の手を握ってくれている、優奈先輩の手が暖かく、とても優しかった。