2クラス離れたクラスにいる、月子(ツキコ)のもとに向かった。月子は小学校からの親友だ。

「月子」

 入り口近くに居た月子を見つけて、肩をぽんと叩いた。
 
「あっ、朱莉」

 月子は私の顔を見るなり、少し困ったような顔をした。

「月子?」

「ちょっと来て」

 月子の後をついて教室を出た。着いた先は体育館の裏だった。

「どうしたの?」

 難しそうな顔をした月子を見て、何かあったんだと分かった。