久美が視界から消えたあと、足音が近付いて来た。 「やっぱり朱莉ちゃんだ。」 さっきまでの低い声とは同一人物と思えないほど穏やかな声をした優奈先輩が目の前に現れた。 「大丈夫?もう一つの反対側のトイレに行ったのかと思って、そっちに行っちゃった。ごめんね。」 優奈先輩は膝をついてしゃがみこみ、私の背中をさすってくれた。 「大丈夫です。すみません。」 「なんで謝るの?朱莉ちゃん何もしてないじゃん。」 温かい声色で、優しい言葉を掛けられて、私は涙が溢れてきた。