あなたに出会えて


 逃げれるものなら逃げてしまいたい。でも、逃げれない。ずっと学校を休むことなんて出来ないし、親に心配なんてかけたくない。そうしたらいいんだろう。逃げたい。今すぐここから消えてしまいたい。

 さっき笑ったのが嘘のように、私の心は暗く、黒く沈んでいった。

 いろんなことが頭の中に渦を巻き、私に吐き気を起こさせる。気持ちが悪い・・・。吐きそう、やばい。

 慌てて起き上がって、上靴も履かずにカーテンを勢いよく開けた。急がなきゃここで吐いてしまう。

「えっ?朱莉ちゃん?」

「どうしたの?」

 そんな言葉が背後から聞こえた。