「ごめんね~」と、男の子はあたしを抱きかかえた。 お、お姫様だっこ…!!? 人生初だよ~っ!! 「ギャアアアアアアア~っ!!」 なんだか無性に恥ずかしくなり、足をバタつかせて抵抗する。 自分でも顔が赤くなるのが分かるくらい恥ずかしい。 「…大人しくしてないと落とすから」 彼はあたしを見下ろして言った。 「やぁ…っ!!落とさないで!」 落とされたら足がっ… 「全力で俺に、しがみついてろ」 さっきの優しい少年はどこにいったのか、彼はあたしにニコリともせずに言った。