「ちょうど良かった。私、判田さんとお話したかったの」 「……何?」 一歩近づいてきた天王寺さんにあたしは後ずさる。 その瞬間、天王寺さんの目付きが変わった。 鋭く、まるで獲物を捕らえたかのようにあたしを睨む。 「判田さんって、判田くんの妹なんでしょう?」 判田くんとはお兄ちゃんのことだろう。 「しかも、兄妹揃って蘭蝶と白虎の総長で最強キングと最強クイーンって言われてるのよね」 私は何も言わない。