「琴、蛇鬼の情報はまだ掴めねぇのか?」


「ああ…なかなか手強いから掴めないね…」



そういう琴の目の下にはうっすらとクマができている。



「早く潰さねぇと一般人をもっと危害に合わせちまうぞ」


「分かってる。由樹は何か掴めた?」


「いや、まだ何も…」



心地よい風が吹く屋上でそんな会話が繰り広げられる。



俺はフェンスにもたれて、黙って煙草を吸っていた。


紫煙が空気中に漂っていく。